No.14 – 美しいきらめきを生む職人のカット技術

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ダイヤモンドの価値とは、原石の質ももちろん大切ですが、職人によるカット技術特にその輝きに大きな影響を与え、重要なポイントとなります。今回は、ダイヤモンドの価値が決まる4C(カラット・カラー・カット・クラリティ)のうち、カットについてご紹介いたします。

 

◆4Cの中でのカットが重要視される理由

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4Cの中で、特に輝きに直接関係するのがカットのグレードです。ダイヤモンドはきれいに輝くことがもっとも大事なポイントで、その輝きを大きく左右するのがカットグレードの評価なのです。

ダイヤモンド自体が発光して輝くわけではないため、美しくきらめくためには光が絶対に必要となります。優れた屈折率と理想のプロポーションによって、その光を最大限に輝かせることができるのです。つまり、ダイヤモンド内部の光道を妨げるような大きなキズや内包物が無い限り、カットが優れている=輝きが強いという事になります。

カットは原石の質、さらにはカラーやクラリティを大きくカバーします。カットの評価が高ければ他の項目の評価に関わらず、より輝いて見えるということです。さらに言えば、透明度の高い質のいい原石を、最高のカットで仕上げたダイヤモンドはとても輝きが強いのです。

 

◆知っておきたい カットの評価基準

カットとはダイヤモンドの全体的な形のバランスと研磨の仕上げの状態のことを指します。ラウンドブリリアントカットを対象にプロポーション・ポリッシュ・シンメトリーの3つの要素から総合的に5段階で評価されます。中でも重要なのはポリッシュとシンメトリーの要素で、このふたつがベリーグッド以上の評価にならなければ、カット評価がエクセレントに達することはありません。

 

【評価対象となる要素】
・プロポーション(比率):ダイヤモンドを形作る比率
・ポリッシュ(研磨状態):カット面の研磨状態の評価
・シンメトリー(対称性):カット面の対称性の評価

 

【5段階ランク】
Excellent:最上級品、光学的に理想
VeryGood:理想的
Good:良好
Fair:やや劣る
Poor:劣る

 

内側から放たれる美しい輝きがダイヤモンドの最大の魅力ですが、カットによって光の取り込み方が大きく変わります。正確にカットされたダイヤモンドは、上部での光や輝きが多く効果的な光の戻りを示します。

4Cの中で他の3つの項目はダイヤモンドが生まれつき持つ自然の要素に対する評価ですが、輝きを決めるカットは唯一人間の技術を評価したものです。プロポーションや角度が良くなければ輝きを存分に発揮することのできないダイヤモンドは、職人のカット技術によってそのダイヤモンドが持つ良さを引き出し、輝けるかどうかが決まります。ダイヤモンドに輝きという永遠の生命を吹き込むのは熟練したカット職人の技。最新の技術と経験に裏付けられた職人技によってバランスよくカットされたダイヤモンドは、光をよく取り込み、きらめきを増幅させ、限りなく価値を高めます

 

◆+αの評価

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ダイヤモンドのグレードの中で唯一、人的加工によるカッティングの技術は近年かなりのレベルに達しています。それにつけハイグレードなカッティングのダイヤモンドも多くなり、最近ではEXCELLENT(カットグレードの最高品質)評価の中でも、さらに優れているとされる、ハート&キューピット3EXCELLENT(トリプルエクセレント)と呼ばれるカッティングも評価されるようになりました。

 

*H&C(ハートアンドキューピッド)
ハートアンドキューピッドとはプロポーションとシンメトリーに特に優れたダイヤモンドにだけあらわれる光の陰影による模様です。左右対称にカットされたダイヤモンドを専用のスコープで覗くと上部からは8つのキューピッドの矢が、下部からは8つのハートの模様が現れるというとてもロマンティックな現象で、この模様が見えるダイヤモンドは入ってきた光を理想的に屈折させ、高いシンメトリー性をもち強い輝きを放ちます。

 

*3EX(トリプルエクセレント)
プロポーション・ポリッシュ・シンメトリーのそれぞれがEXCELLENTの評価を受けたダイヤモンドのことを特別に3Excellent(トリプルエクセレント)と呼びます。このトリプルエクセレントは、ハート&キューピットよりさらに希少性が高く、現在ではもっとも評価の高いカットと言えます。

トリプルエクセレントについて、カットグレードはプロポーションと目視要素の総合評価で決まりますが、それと併記される仕上げ項目に、ポリッシュ(研磨状態)とシンメトリー(対称性)があります。トリプルエクセレントは、その3つが全てエクセレント評価の、非常に正確性の高いダイヤモンドです。ノーマルExcellentやExcellent H&Cでは、ポリッシュとシンメトリーのどちらかか、双方がVeryGood評価となります。

特に原石からの歩留まりが価格に大きな影響を与えるダイヤモンドカッティングの世界では、カットグレードの最高ランクである3Excellent+H&Cをカッティングするために、「ソーヤブル(ソーイングに適している)」と言われるソーイングに適している均一な原子配列と理想的な形をした、最も高価である原石を使用しています。

 

*5+2ランクのグレード
トリプルエクセレントでも、ハートアンドキューピットの出ないものも存在します。この場合、数値的にはトリプルエクセレントの基準に合致していますが、拡大して見た場合部分的な角度が正確でない可能性があるため、トリプルエクセレントご購入の場合、ハートアンドキューピットの出ているものをご選択いただく方が、正確性という意味でも懸命と言えます。

最初にカットの評価は5段階とご説明しましたが、購入する際の視点から考えると基本の5段階+αの2段階の、合計7段階の評価になることとなります。現在の評価水準では、評価の高い順に3Excellent+H&C > 3Excellent > Excellent+H&C > Excellent >Very Good…と続きます。

 

◆美しいきらめきを生む職人の技

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カットは雄一人間が手を加える作業となり、その完成度によって左右されます。光の反射によって輝きを放つダイヤモンドには命とも言える工程です。 オレッキオでは、エンゲージメントリング、マリッジリングともにメレダイヤとバゲットダイヤはひとつひとつオレッキオ基準をクリアするものを選び抜いております。ラウンドカットに関しては、最高級のトリプルエクセレントを主に使用しております。職人の熟練された技術による、思わず息をのむような美しいきらめきを、ぜひお手にとってご覧ください。